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PCR検査ってどんな検査?PCR検査のやり方について

更新日:2021年5月26日

COVID-19感染症(新型コロナウイルス感染症)の流行で、PCR検査という専門的なワードが全世界的に一般の方々にも認知されました。今日はその検査について簡単に説明します。

目次

1、PCR検査ってどんな検査?

2、遺伝子の増幅はどうやってやるの?

3、なんで検査数はすぐに増やせないの?

4、ウイルス簡易検出法

【PCR検査ってどんな検査?】 PCR検査とは、Polymerase Chain Reaction法という、遺伝子を増幅する方法を使い、ウイルスの遺伝子を増殖して検出する検査です。発明者はノーベル賞を受賞するほど、優れた技術です。

【遺伝子の増幅はどうやってやるの?】 検体(唾液など)の中に含まれるターゲットのDNAをもとにして、DNAを複製します。さらに、複製された2本のDNAをそれぞれ複製します。これを繰り返すことで、2本が4本、4本が8本、、、と倍々にDNAが増えていきます。 患者さんの検体に含まれるウイルスの遺伝子はごく少量ですが、このPCR法で増やすことにより検出できるようになります。 さらに詳しく述べると、正確にはPCR法ではなく「リアルタイムPCR法」という方法が、COVID-19(新型コロナウイルス)の検出には用いられています。PCR法でウイルスの遺伝子を増やす際、DNAを増やしながら「蛍光試薬」という光る試薬を取り込ませます。この光の強さでウイルスの遺伝子をリアルタイムに検出できます。この方法により、検出精度が飛躍的に向上します。ところで実はコロナウイルスはRNAウイルスという種類のウイルスでDNAを持ちません。そこでPCR法の前にRNAをDNAに変える「逆転写」という作業も追加されます。

【なんで検査数はすぐに増やせないの?】

患者さんの検体には、ウイルスが含まれ感染力があります。不用意に扱えば、検査者に感染が広がります。したがって、病院などでの検体採取~検査会社での検査において慎重な取り扱いが要求されます。例えば病院ではウイルスを通さないN95マスク、使い捨てのガウン・グローブ・帽子・ゴーグル・フェースガードなどを着用し、細心の注意を払って検体の採取を行います。また他の患者さんと空間的に、あるいは時間的に隔離する必要があります。 また検査は病原体が拡散しないよう特別な実験室で慎重に行う必要があります。自動で遺伝子を抽出できる装置もありますが、サンプルが飛散し実験室内感染がおきる恐れがあります。そのため、検出作業は基本的に手作業で行われており、一日に処理できる検体数が限られています。

【ウイルス簡易検出法】 このようにPCR検査を行うのにも、遺伝子抽出など複数のステップが必要で、また、検出するまでに数時間もかかります。 そこでインフルエンザウイルス感染症で一般的に用いられている代替手段は、イムノクロマト法という手法を用いた簡易検査です。 この診断法は、検出したいウイルス「だけ」に結合する「抗体」というタンパク質を利用しています。患者さんの検体にウイルスが含まれていれば、ラインが出るので、目視によってウイルスがいるかいないかを判断できます。しかし、その精度はPCR法に比べるとけた違いに低くなります。 簡易検査キットを用いた簡易検査では、すぐに分かるお手軽さが特徴ですが、精度が低いためにインフルエンザウイルスの検査では発熱後12時間以上たってからでないと検出できません。COVID-19感染症(新型コロナウイルス感染症)においても同様のことが言えるでしょう。

街のクリニック日野・八王子では、COVID-19感染症(新型コロナウイルス感染症)において、有症状の方の公費でのPCR検査も、無症状の方の自費でのPCR検査も受け付けています。

オンライン診療、電話やWEBでの診察予約をご利用ください。

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